1. FF金利(フェデラル・ファンド・レート)
FF金利(Federal Funds Rate)とは、米国の民間銀行同士が、連邦準備制度(FRB)に預け入れる義務のある「法定準備預金」の過不足を調整するために、無担保で短期(主に翌日物)に貸し借りを行う際に適用されるインターバンク市場の金利です。
米国の中央銀行にあたるFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が、この金利の誘導目標レンジを決定・公表します。FF金利の引き上げ(利上げ)は景気の過熱やインフレを抑制し、引き下げ(利下げ)は景気浮揚を促します。米国の基軸通貨ドルの金利であるため、世界の株式市場、為替相場(ドル高・ドル安)、新興国からの資金流出入など、グローバル経済全体に直接的かつ甚大な影響を及ぼす世界最重要の金利指標です。
2. G7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)
G7とは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの先進7カ国の財務大臣および中央銀行総裁が定期的に集い、世界経済の諸課題、為替市場の安定、国際金融規制、地政学リスクへの対応などを協議する最高位の国際経済協議体です。
1970年代の石油危機や変動為替相場制への移行を契機に発足しました。歴史上、1985年の「プラザ合意」によるドル高是正など、世界の為替相場やマクロ経済政策の協調において決定的な役割を果たしてきました。近年は新興国を含むG20の台頭があるものの、民主主義の価値観を共有する先進主要国の協調枠組みとして依然として高い発言力を保持しています。
3. 一時借入金(いちじかりいれきん)
一時借入金とは、地方自治体が同一年度内における税収の入金時期と支出時期のズレ(資金の端境期)を埋めるため、金融機関等から一時的に調達する短期融資のことです。
道路や学校などの公共施設を建設するために数十年単位で返済する「地方債(長期借入金)」とは根本的に異なり、その年度の歳入によって年度内に必ず完済しなければならないという厳格な法的手続きが定められています。自治体の健全な資金繰りとキャッシュフロー管理の基本となる実務用語です。
4. 円キャリー取引(えんきゃりーとりひき)
円キャリー取引(円キャリートレード)とは、極めて低い金利水準にある日本円を調達(借入れ)し、それを外国為替市場で売却して米ドルや豪ドルなどの高金利通貨に交換した上で、海外の高利回りな債券や株式、不動産などに投資して利回り差(スワップポイントやインカムゲイン)を得る国際投資手法です。
日本の長引く低金利環境を背景に、世界のヘッジファンドや機関投資家によって広く活用されてきました。円キャリー取引が活発になると「円売り・外貨買い」となるため円安が進みますが、内外の金利差縮小や世界的な市場の動揺が起きると、投資家が一斉にポジションを解消して円を買い戻す(キャリートレードの巻き戻し)ため、急激な円高と世界的な資産価格の急落を引き起こすリスク要因となります。
5. 外貨預金(がいかよきん)
外貨預金とは、日本円ではなく、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの外国通貨建てで預け入れを行う銀行預金のことです。
日本円の預金に比べて高い金利を享受できる魅力がある一方で、為替レートの変動によって預入時よりも円高になった場合には為替差損が発生し、元本割れとなるリスク(為替変動リスク)を伴います。また、円と外貨を交換する際の為替手数料も考慮する必要があり、日本の預金保険制度(ペイオフ)の対象外である点にも留意が必要です。
6. 空港着陸料(くうこうちゃくりくりょう)
空港着陸料とは、航空会社が旅客機や貨物機を空港の滑走路に着陸させる際に、空港管理者に支払う施設利用料金のことです。
成田空港や関西国際空港などの日本の主要空港は、建設費の償還や手厚い保守管理を背景に、アジア各国のハブ空港(韓国の仁川空港やシンガポールのチャンギ空港など)と比較して着陸料が割高であると指摘されてきました。近年では、LCC(格安航空会社)の誘致やオープンスカイ政策の推進、インバウンド観光の促進に伴い、着陸料の引き下げや柔軟な料金体系への見直しが進められています。
7. くるみん認定(くるみんにんてい)
くるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、従業員の子育て支援や仕事と家庭の両立(ワークライフバランス)に関する行動計画を策定・達成した企業に対し、厚生労働大臣が「子育てサポート企業」として付与する認定マーク制度です。
男性の育児休業取得率や残業削減の実績など、厳しい基準をクリアした企業だけが取得できます。さらに高い水準を満たした企業には「プラチナくるみん」が授与されます。認定を受けた企業は、採用活動において若年層や優秀な人材を引きつける大きなアピールポイントとなるほか、社会的信用の向上や公的調達での優遇措置を受けられます。
8. 個人向け国債(こじんむけこくさい)
個人向け国債とは、国が発行する国債のうち、購入対象者を個人に限定して利便性と安全性を高めた金融商品です。「固定3年」「固定5年」「変動10年」の3タイプが用意されています。
額面1万円から手軽に購入可能で、日本国政府が元本と利払いを保証しているため極めて信用度が高いのが特徴です。特に「変動10年」は、半年ごとに市場金利に合わせて適用金利が見直されるため、金利上昇局面でも有利に働き、最低保証金利(年0.05%)も設けられているため、手堅い資産運用の定番として親しまれています。
9. 時価総額(じかそうがく)
時価総額(株式時価総額)とは、「株価 × 発行済株式数」で算出される、ある企業の市場における全体の価値(株式価値)を示す代表的な指標です。
個別の株価の高さだけでは分からない、企業の全体的な企業規模や市場からの総合的な評価・成長期待を測ることができます。株式市場全体の時価総額合計は、その国の経済規模や金融市場の成熟度を示すバロメーターとしても活用されます。
10. ゼロ金利政策(ぜろきんりせいさく)
ゼロ金利政策とは、中央銀行(日本銀行)が金融緩和の手段として、政策金利である無担保コール翌日物レートを可能な限りゼロ%近くまで誘導する非伝統的な金融政策です。
1999年2月に日本銀行が世界で初めて導入しました。デフレーションの深刻化と金融システム不安に対処するため、銀行間の資金調達コストを極小化し、企業への貸出促進や景気回復を企図したものです。その後の「量的緩和政策」や「マイナス金利政策」へと発展する、日本の長きにわたる超金融緩和の原点となった政策です。